小紋・古典柄
小紋は昔から高度な技で作成された伊勢型紙を使って、独特の模様を染め抜いて製作します。型紙彫刻師によって模様が彫られた型紙は染め師によって、白生地に染めつけられます。これが生地が 反物になる瞬間です。そして、反物は皆さんの手が通されて「きもの」になります。
信州型染め
江戸時代から伝わる伊勢型紙を大切に守り続け、原型に忠実に、手染めで1枚1枚丁寧に染め上げます。
南信州。飯田地方に、伝統工芸信州型染めがあります。江戸時代中期末の寛政年間に、温暖な気候、有利な自然環境に支えられ豊富な地下湧き水を利用してこの飯田市飯沼の地に染物屋が始まりました。製作には型紙を彫る技、糊を置く技、染める技、染師の確かな技術を守る心と時代を感じる感性が求められます。
創作染工房[久]は、染色家中島久雄が1976年より、小紋型染めを中心に信州型染めの染色活動を展開しています。
小紋染 作業手順
張り作業
長板(スクリーン板)に玉地(白生地)に歪みができないように均一に引っ張ります。
この無地生地に樹脂糊を薄く塗ります。
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型付け作業
型紙(シルクスクリーン型)を生地の上に置き、左から右に向かって目糊を置きます。
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地染め作業
しごき染(地染め)1反の長さ13mほどの長板に色糊をヘラで塗ります。現在は反物に糊を乗せる地染めは機械を使います。
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張り作業
糊を乗せた生地通しがつかないよう、ふるいにかけたおが粉を全体に振り散らします。写真の肌色のものは、おが粉(木を削るときに出る粉です)
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蒸し作業
数反の生地を蒸し棒に掛け蒸し器に入れて、20分ほど蒸します。これにより、染料が生地に定着します。
5
水洗い作業
反物についた色糊や、粉、染料をよく落とします。
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自然乾燥
外の風が良く通るところで完全に乾かします。
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地直し作業
筆と、小刷毛で地目を修正します。
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完成
反物の整理をして完成になります。
整理とは湯のしをして、しわをとり、仕上げをすることを言います。
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